教育費の全国平均
通説では,「子供の教育は一人1000万円かかる」と言われます。
主婦雑誌の節約特集記事などを見ても,1000万円かかることを前提に貯蓄計画が立てられています。
ほんとうに1000万円もかかるのでしょうか!?
この1000万という数字の内訳は一体どうなっているのでしょう??
詳しくみていきます。
≪幼稚園~高校までにかかる費用≫
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種別 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 |
学習費(1年) | 222,264 | 498,008 | 321,708 | 1,535,789 | 481,841 | 1,338,623 | 409,979 | 995,295 |
学習費(総額) | 666,792 | 1,494,024 | 1,930,248 | 9,214,734 | 1,445,523 | 4,015,869 | 1,229,937 | 2,985,885 |
–>
区分 | 国公立 | 私立文系 | 私立理系 |
---|---|---|---|
総額 | 520万 | 690万 | 815万 |
1000万円の内訳
この二つの表を見てみると,幼稚園から大学までの学習費の総額が1000万になる組み合わせは,
公立幼稚園(666,792円)+公立小学校(1,930,248円)+
公立中学校(1,445,523円)+公立高校(1,229,937円)+
国公立大学(520万)=10,472,500万
ということになります。
ひえ~っっ!!
ごく普通の公立コースを進んで1000万!?
しかも,公立幼稚園は自治体によってはなかったり少なかったりすることもあってだれでも入れるわけではありませんし,国公立大学も希望すれば全員行けるわけではありません。
幼稚園はともかく,大学が私立になれば,さらに200万以上かかります。
子供が複数いれば,
1000万×2人=2000万
1000万×3人=3000万
が必要になります。
教育費の節約方法
必ずかかる教育費
では,本当に全員に1000万ずつかかるのでしょうか?
この表にある学習費には,授業料や給食費や修学旅行費など学校に納入する費用のほかに,おけいこ事や塾などの,学校外で行う学習活動費も含まれています。
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | |
---|---|---|---|---|---|
種別 | 公立 | 公立 | 公立 | 公立 | 私立 |
学習費(1年) | 222,264 | 321,708 | 481,841 | 409,979 | 995,295 |
学校教育費 | 119,175 | 59,228 | 128,964 | 242,692 | 740,144 |
(構成比) | 54 | 18 | 27 | 59 | 74 |
学校給食費 | 19,382 | 43,176 | 38,422 | ― | ― |
(構成比) | 9 | 13 | 8 | ― | ― |
学校外活動費 | 83,707 | 219,304 | 314,455 | 167,287 | 255,151 |
(構成比) | 38 | 68 | 65 | 41 | 26 |
よーく見てみると,だれでも必ず払わなければならない学習費(この表では「学校教育費」「給食費」)の費用は,小学校では年間11万(教育費+給食費),中学で13万となっていて,こども手当でほぼまかなえる額です。また,幼稚園と高校でも支援金があり,大学も無利子の奨学金があることを考えると,習い事や塾などに行かず,授業料と給食費などの納入金のみを払っているだけならば,「1000万の教育費」という言葉にことさら不安を感じる必要はないということです。
選択(節約)できる学習費
学校外活動費
では,家計を圧迫する教育費の正体とは何なのでしょうか。
それは,表の「学校外活動費」です。ここに含まれるのは,習い事や塾など,学校外で受ける教育にかかる費用です。小学校で年間22万(学習費の68%),中学校では年間31万(全体の65%)となっており,学校納入金の実に2倍の費用がかかっている,かけている,というのが現状です。
工夫と知恵を使って教育費を節約できる項目は,この学校外活動費です。
私立か公立か
表を見るまでもなく明らかに,私立は公立よりも費用がかかります。
教育費に不安があれば,公立を選択するのが鉄則でしょう。
だだし,公立か私立かの選択は,できるものとできないものがあります。
公立幼稚園は自治体の状況により選択できないこともありますし,
大学は希望者全員が国公立に行けるわけではありません。
完全に自由に選択できるのは義務教育である小学校と中学校です。そして,高校も公立・私立を選択しやすいといえます。高校を選択する際は将来の家族のライフプランについてよくシミュレーションして志望校を決定することが必要でしょう。公立高校入試の際に,学力に不安がある場合は一つレベルを落として公立入学を確実にすることもできます。高校の学校外学習費の内訳をみてみると,公立高校よりも私立高校の方が費用が高いことが分かります。私立は学費自体だけでなく,塾などの費用も高いというのが現実なのです。
学校活動費を削る知恵
さて,学校活動費を削る方法を考えてみしょう。
習い事
プール,英語,ピアノ,が3大習い事だそうですが,この習い事文化は日本固有のものだそうです。みんながやっているから何となくやらないと不安になってしまうもの。でも,本当に子供の習い事は必要でしょうか?いえ,お金がたくさんあればいくらやってもかまわないのです。しかし,幼稚園や小学校時代という比較的教育にお金がかからない時期に,将来必要になる教育費を不用意に使ってしまうことのないようにしたいものです。
まず,子供の習い事を検討する際に,その目的や理由を洗い出しましょう。
例えば,プールならば,喘息対策,運動神経を養う,などの理由が考えられます。英語ならば,将来に備えて英語力をつけたい,などでしょうか。
次に,その月謝がその目的に見合うものか,ほかに代替の方法がないかを考えましょう。例えばプール。プール泳者として稼ぐようになる,という目的の人はほとんどいないでしょう。そうであれば,小学校までなら自治体が提供するプール教室はないでしょうか。あるいは,夏休みに近所のプールでパパが教えるだけでも子供はかなり上手になります。
子供の英語教室はもっとも消費者が食い物にされている分野のように思います。英語の無料教材は昨今いくらでもあります。それらを使いながら英語力を養うことは十分可能です。我が家の子供は小さいころから英語の本を読み聞かせていました。それ以外特に何もしていませんがなぜか英語が得意で,タイの高校で初めての進研模試の英語の偏差値は75でした。読み聞かせといっても,毎日続けたわけでもありませんし,一日5分もしていなかったと思います。お金をかけない英語の習得法については改めて詳しく書いてみたいと思います。
塾
中学校は学校外活動費が生涯で最もかかる時代で,その額年間314,455円,実に3年間でほぼ100万円です。
高校への入学率は97%を超えている昨今,子供がちゃんと高校に入れるよう,親心から子供を塾に入れる親は多いでしょう。塾はほとんどの場合,合格への近道を示してくれる場所ですから,塾代100万が捻出できるご家庭が子供を塾に入れることに疑問は抱きません。
しかし,高校,大学でかさむ教育費に備えて少しでも塾代を削りたい,という方にとって,知恵と工夫で乗り越えやすい時代になっています。親として子供によい教育を受けさせたいというのは当然の願いです。その願いを逆手にとって商売に結び付けているのが塾業界です。でも公立高校受験に塾は必ずしも必要ではありません。親ができることはお金を出すこと以外にもあります。その一つは,知恵を授けることです。自分にその知恵がなければ,確かなソースから知恵を貸してもらうことができるでしょう。
ライフプランを作成する
教育費の節約に限らず,家計について考えるときにぜひやっておきたいのが,ご家庭のライフプランの作成です。簡単に作成できるサイトやソフトはたくさんあると思いますので,ぜひ今後20年,50年,のライフプランを作成し,いつ,何に,どれくらいの費用がかかるのかを知ってください。もちろん,今後の収入の見込みやすべての支出を予想することはできないかもしれませんが,必ずかかる費用はある程度分かっているはずです。今いくら貯金しておくことが必要で,いくらまでなら教育費に使えるかが分かっていれば,漠然とした不安から解放されて,かけるべきときに子供に教育費をかけてあげることができるのではないかと思います。
わが家の教育費
わが家の子供たちは
パターン1:私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→公立高校→私立大学
パターン2:私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→公立高校→国立大学
パターン3:私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→私立高校→国立大学
と様々です。
学校外教育としては,
(幼稚園ー小学校)1万/月
(高校)3万(高1・高2)/月,100万/年(高2)
ほどです。
その子供たちの教育費は:
パターン1:私立幼稚園(30万×3年)→公立小学校(20万×6年)→公立中学校(20万×3年)→公立高校(250万)→私立大学(130万×4年)=1040万
パターン2:私立幼稚園(30万×3年)→公立小学校(20万×6年)→公立中学校(20万×3年)→公立高校(250万)→国立大学・大学院(60万×6年)=880万
パターン3:私立幼稚園(30万×3年)→公立小学校(20万×6年)→公立中学校(20万×3年)→私立高校(400万)→国立大学(60万×4万)=910万
ほどでした。
これは思い出せるだけの教育費を計上したにすぎませんので,実際には1000万を上回っていたのではないかと思います。
高校を除いて教育費はかけていないつもりでしたが,それでも教育一人1000万,という統計に近い数字でした💦
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